わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと
人にはつげよあまの釣舟
【読み】
わたのはらやそしまかけてこぎいでぬと
ひとにはつげよあまのつりぶね
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【11番】わたの原~ 現代語訳と解説!
【現代語訳】
果てしなく広がる海原を多くの島々目指して、船を漕ぎ出したと人に伝えてくれ、漁師の釣り船よ。
【解説】
遣唐使に任命された作者 参議篁は、出発前に船の故障などによるアクシデントや揉め事に巻き込まれ、さらに「西道謡(さいどうのうた)」という遣唐使の批判的漢詩を書いたために、当時の上皇の逆鱗に触れ、隠岐へ島流しとなってしまいます。
そんな中、都のことを思いながら、隠岐の島でしっかり自分の力で生きていくと誓った「覚悟の歌」と言われています。
参議篁とは、どんな人物??
平安時代の役人でその反骨精神の強さから野狂とも呼ばれていたそうです。
本名の小野が示す通り、小野小町と血縁があったともいわれており、小野小町の親もしくは祖父であったという説があります。
また、昼は朝廷で役人として働き、夜はあの世で閻魔大王の補佐をしていたという伝説があります。
まとめ!
上の句 | わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと |
---|---|
下の句 | 人にはつげよあまの釣舟 |
歌人 | 参議篁(802~853) |
決まり字 | わたのはらや |
決まり字数 | 6 |
収載和歌集 | 古今和歌集 |
都を離れる篁の「寂しさ」と「悔しさ」が歌の奥に見え隠れしますね。
しかし、それを押し殺し生きていく覚悟を宣言している「男らしさ」もしっかりと感じ取ることができます!
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