風そよぐならの小川の夕ぐれは
みそぎぞ夏のしるしなりける
【読み】
かぜそよぐならのをがは(わ)のゆふ(う)ぐれは
みそぎぞなつのしるしなりける
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【98番】風そよぐ~ 現代語訳と解説!
【現代語訳】
風がそよぐ「ならの小川」の夕暮れは(もう秋のような涼しさですが)、禊(みそぎ)が行われているのが、まだ夏の証拠だなぁ。
【解説】
歌中の「みそぎ」は「水無月祓え」という神事を指し、6月末(現在の7月下旬)に行われます。
これは1年の上半期の『穢れを川に流す』という意味があるそうです。
風がそよぐ涼しい夕方から『秋の訪れ』を感じさせつつも、神事の様子から『まだ夏』であると気付くわけですね。
従二位家隆とは、どんな人物??
鎌倉時代中期に活躍した役人であり歌人です。
家隆は公卿と呼ばれる、朝廷の最高幹部の一人でした。
歌人として初めはあまり評価されていませんでしたが、六百番歌合などに参加するうちに高い評価を得るようになりました。
晩年になってもその創作意欲は衰えず、生涯詠んだ歌は六万首もあったそうです。
まとめ!
上の句 | 風そよぐならの小川の夕ぐれは |
---|---|
下の句 | みそぎぞ夏のしるしなりける |
歌人 | 従二位家隆(1158~1237年) |
決まり字 | かぜそ |
決まり字数 | 3 |
収載和歌集 | 新勅撰和歌集 |
作者の家隆は「新古今集」撰者のひとりです。
有能な歌人であり、百人一首撰者の定家の『ライバル』的な存在だったそうですよ!
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