君がため春の野に出でて若菜つむ
わが衣手に雪は降りつつ
【読み】
きみがためはるののにいでてわかなつむ
わがころもでにゆきはふりつつ
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【15番】君がため~ 現代語訳と解説!
【現代語訳】
あなたのために春の野原へ出かけて若菜を摘んでいると、私の着物の袖に雪が降ってきています。
【解説】
「若菜」は、新春に芽吹く野草(ナズナなど)のことです。
これらを食すと邪気が祓われると言われていました。
「君がため~つむ」は女性から男性に贈られる言い方であることと、天皇である作者自身が野草を摘むとは考えにくいということから、この歌は天皇が女性の立場で、『思いやり』の心を詠んだものと考えられます。
光孝天皇とは、どんな人物??
陽成天皇に次いで即位した平安時代の天皇です。
元服(成人)してからは数々の役職をこなしたエリートで、陽成天皇に代わり55歳で天皇に即位しました。
諸芸に優れた文化人であったとされ、鷹狩などの宮中行事を復活させたそうです。
まとめ!
上の句 | 君がため春の野に出でて若菜つむ |
---|---|
下の句 | わが衣手に雪は降りつつ |
歌人 | 光孝天皇(830~887) |
決まり字 | きみがため は |
決まり字数 | 6 |
収載和歌集 | 古今和歌集 |
「あの人にもこの若菜を送ろう」と思い立ち、摘んでいる様子と早春の雪の描写が相まって、「健気さ」と「相手を思いやる気持ち」がしんみり感じられますね!
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