歌人に会える百人一首
清原深養父
意味
夏の夜というものは短く、まだ宵のうちだと思ってる間に夜が明けてしまった。月は雲のどのあたりに宿をとっているのだろう。
解説
この歌は、短い夏の夜に沈んでいく月を惜しむ気持ちを詠んだものです。 清原深養父は、月がどの雲の向こうに隠れてしまったのかと問いかけるように表現しています。その姿からは、ただ月を眺めているだけでなく、去りゆくものに心を寄せ、その余韻を大切に味わう繊細な感性が感じられます。
深養父は天武天皇の末裔という高い家柄に生まれながらも、官位にはあまり恵まれませんでした。しかし、この歌からは世の栄達を追うよりも、自然の美しさや季節の移ろいに心を動かされる穏やかな人柄がうかがえます。短い夏の夜と沈みゆく月。その一瞬の美しさを見逃さず、「もう少し眺めていたい」と感じる深養父の優しいまなざしが伝わってくる一首です。
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