歌人に会える百人一首
藤原義孝
意味
あなたに逢うためなら惜しくないと思った命ですが、あなたと出会ってからは、末永く添い遂げたいと思うようになりました。
解説
この歌は、一夜を共にした女性と別れた翌朝に贈られた「後朝の歌」です。逢う前は不安で長く感じられた夜が、いざ逢ってしまうとあまりにも短く過ぎ去り、すぐに別れの朝が来てしまう。そんな恋人との時間の儚さと名残惜しさが繊細に表現されています。
作者の藤原義孝は、美しい容姿と優れた才能を持ちながら、わずか21歳で世を去った悲劇の貴公子でした。また、深い信仰心を持ち、誠実な人柄であったと伝えられています。この歌にも、激しい情熱よりも、愛する人とのひとときを大切に思う優しさや繊細な感受性が表れており、短い生涯を懸命に生きた義孝らしい純粋な恋心が感じられます。
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