歌人に会える百人一首
寂蓮法師
意味
村雨が通り過ぎて、まだその滴が乾いていない杉や檜の葉のあたりに、霧が立ち上っている。秋の夕暮れに。
解説
この歌は、秋の夕暮れの静かな山の景色を描いた一首です。通り雨が過ぎたあと、まだ濡れている杉や檜の葉のあたりから霧が立ちのぼる様子が詠まれています。紅葉の華やかさではなく、水と霧が織りなす淡い風景に目を向けることで、しんとした秋の趣が美しく表現されています。
作者である寂蓮法師は、藤原俊成の養子となりましたが出家し、その後は各地を巡りながら歌の道を究めました。派手さよりも静けさや余情を大切にする作風で知られ、この歌にもその人柄がよく表れています。自然の中にひそむ美しさを見つめる、繊細で穏やかな歌人でした。
詳しくはこちら