おぐらやま峰の紅葉葉こころあらば
いまひとたびの御幸またなむ
【読み】
をぐらやまみねのもみじばこころあらば
いまひとたびのみゆきまたなむ
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【26番】おぐらやま~ 現代語訳と解説!
【現代語訳】
小倉山の峰の紅葉よ、お前も人の子のように感情というものを持ち合わせているのであれば、もう一度天皇の御幸のある日まで散らないで待っていてはくれないだろうか。
【解説】
宇多上皇が晩秋の嵯峨に行幸した際に、山の紅葉に大変感激され、息子の醍醐にも紅葉した様子を見せたいと仰ったことを受けて、忠平が詠んだ歌です。
宇多上皇の御幸は延喜七年(907)九月十日で、行幸は翌十一日のことです。
天皇に対しても影響力を持つ政治家である忠平が、歌を詠んで天皇の御幸を実現させたという見方もできます。
この歌は大和物語、大鏡、古今著聞集などにも掲載されています。
貞信公 藤原忠平とは、どんな人物??
藤原基経の4男、藤原忠平は、兄時平の跡を継いで延喜式を完成させ、藤原氏全盛の基礎を作りました。
非常に温厚な性格で左遷された菅原道真とも文通をしたり、人望も厚かったと言われています。貞信公はその諡です。
まとめ!
上の句 | おぐらやま峰の紅葉葉こころあらば |
---|---|
下の句 | いまひとたびの御幸またなむ |
歌人 | 貞信公 藤原忠平(880~949年) |
決まり字 | をぐ |
決まり字数 | 2字 |
収載和歌集 | 拾遺集 |
持統天皇の春を謳った歌や、清原深養父の謳った夏の歌、それから晩秋を謳った忠平のおぐらやまの歌などは、選者である藤原定家が百人一首を編んだ小倉山荘からの四季の眺めと重ねて、日本の四季を表現したかったのかなぁと想像できますね。
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