百人一首解説

【百人一首 35番】人はいさ…歌の現代語訳と解説!紀貫之はどんな人物なのか

人はいさ心も知らずふるさとは

花ぞ昔の香ににほひける

【読み】

ひとはいさこころもしらずふるさとは

はなぞむかしのかににほひける

【35番】人はいさ~ 現代語訳と解説!

【現代語訳】

あなたの方はどうだか、心の中まではわかりません。昔からいるふるさとでは、梅の花が変わらずずっと咲き誇り、いい香りをさせています。

【解説】

この歌は贈答歌(二人でお互いに気持ちを述べ合う歌)です。

ここで出てくる「人」は、相手を指します。「いさ」は、相手からの歌に対して、否定的な返答をする時に使います。

初瀬にある長谷寺に参詣し、その時に久しぶりに泊まった宿で作った歌です。

紀貫之とは、どんな人物??

土佐日記の作者で、三十六歌仙の一人です。

和歌だけでなく漢詩にも詳しく、古今和歌集の撰者の一人でもあります。

後に、古今和歌集序文を執筆し、日本文学に大きな影響を与えました。

土佐日記では女性を装って書いており、今の時代だと、ネカマみたいに言われてたかも知れませんね。

まとめ!

上の句 人はいさ心も知らずふるさとは
下の句 花ぞ昔の香ににほひける
歌人 紀貫之(872~945年)
決まり字 ひとは
決まり字数 3
収載和歌集 古今和歌集
この歌を詠んだ初瀬の長谷寺は、奈良県桜井市です。

久しぶりに泊まった宿の主人から皮肉を込めて贈られた歌と言われていますが、もしかしたらその宿の主人が女性で、昔の恋人かもしれません。

若くして才能があった人ですから、とてもモテる人だっかも知れませんね。

久しぶりに皮肉を言われる、そんな悪い気はしないかもですね。