歌人に会える百人一首
順徳院
意味
宮中の古びた軒先に生えている忍ぶ草を見るにつけても偲んでも偲びきれないのは、昔のよかった時代であることよ。
解説
この歌は、荒れた宮中の軒先に忍ぶ草が生い茂る様子を見て、過ぎ去った昔を深く懐かしむ心情を詠んだ一首です。かつては栄えていた宮中が荒廃していく現実を前に、ただ物悲しさを感じるだけでなく、取り戻すことのできない時代への強い思慕が込められています。静かな景の中に、歴史の変化への嘆きがにじむ歌です。
作者である順徳院は、後鳥羽院の皇子として生まれ、若くして天皇に即位し、朝廷の秩序や儀礼を重んじた人物です。理想の宮廷政治を守ろうとする意識が強く、時代の変化に対して深い危機感を抱いていました。この歌にも、失われゆく王朝の姿を見つめながら、過去への強い郷愁を抱く順徳院の繊細で憂いを帯びた人柄が表れています。
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