歌人に会える百人一首
良暹法師
意味
寂しさに耐えかねて庵から出てみたけれど、どこも同じように寂しい秋の夕暮れであることよ。
解説
この歌は、大原の山里に暮らしていた良暹法師が詠んだとされる一首です。人に会いたいと思って外へ出てみたものの、目に映るのはどこまでも広がるいっそう深まる秋の夕暮れだけでした。人恋しさと寂しさが重なり合いながら、そこにしみじみとした風情を見いだす心が表現されています。簡潔な言葉で秋の情趣を描き出した名歌として知られ、後世の和歌にも大きな影響を与えました。
作者の良暹法師は、平安時代中期の天台宗の僧です。祇園社の別当を務めたことでも知られ、和歌にも優れた才能を発揮しました。自然や季節の移ろいを繊細に捉えた歌風に特色があり、この歌にも山里の静寂と秋のもの寂しさを味わう豊かな感性がよく表れています。
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