時雨の百人一首

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権中納言匡房歌人に会える百人一首
権中納言匡房

ねこ

意味

高い山の尾根に美しい桜が咲いた。人里近くの山の霞よ、どうか立たないでほしい。

解説

この歌は、内大臣・藤原師通の邸宅で催された華やかな酒宴にて、「遙かに山桜を望む」というお題で詠まれた一首です。遥か遠くの高い山の尾根に、美しく咲き誇る山桜を見つけた感動を表現しています。「人里近くの山に立つ霞よ、どうか立ちのぼってこの美しい景色を遮らないでおくれ」と呼びかける構成の中に、桜を愛おしむ純粋な心と、春の情景を立体的に捉える高い構成力が光る洗練された名作です。

作者である前権中納言匡房(大江匡房)は、伝説的な女流歌人・赤染衛門の曽孫であり、幼少期から「神童」と謳われた超エリート学者です。三代の天皇の教育係やブレーンを務め、有職故実(朝廷の儀式や先例)に最も精通した最高峰の知識人でした。理知的な堅物かと思いきや、お酒の席ではその圧倒的な知識と鋭い感性をフルに活かし、場を一瞬で魅了する粋な歌を詠んでみせる、スマートで頼りがいのある天才肌の人柄が伺えます。

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