百人一首解説

【百人一首 14番】陸奥の…歌の現代語訳と解説!河原左大臣はどんな人物なのか

陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに

乱れそめにしわれならなくに

【読み】

みちのくのしのぶもぢずりだれゆえに

みだれそめにしわれならなくに

【14番】陸奥の~ 現代語訳と解説!

【現代語訳】

私の心は、陸奥の信夫摺りのように乱れてしまった。これはいったい誰のせいなのだろうか。私のせいではないのだが。

【解説】

『陸奥』は現在の東北地方の旧称ですね。

『信夫摺り』はその中でも信夫地方で作られていた染め物です。

この歌の『われならなくに』は本来の意味に加え、「あなたのせいだ」という意味も含んでいますね。

河原左大臣とは、どんな人物??

平安時代の貴族であり、嵯峨天皇の息子です。

清和天皇の時代に役人となり、順調に出世しました。

しかし、15歳年下で役職も下位である藤原基経が摂政に任命されると、それを不服として自宅に引きこもりました。

基経が没した後は再び役人として復帰しています。源氏物語の光源氏のモデルの一人であると言われています。

まとめ!

上の句 陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに
下の句 乱れそめにしわれならなくに
歌人 河原左大臣(822~895)
決まり字 みち
決まり字数 2
収載和歌集 古今和歌集
相手を窘めつつ、自分の想いを伝えています。

光源氏のモデルにふさわしい色男っぷりですね。

そして自分への自信も伝わってきます。