みかの原わきてながるるいづみ川
いつ見きとてか恋しかるらむ
【読み】
みかのはらわきてながるるいづみがわ
いつみきとてかこいしかるらむ
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【27番】みかの原~ 現代語訳と解説!
【現代語訳】
甕の原に湧いて流れる泉川のように、おまえのことが恋しいのはなぜだろう。いつ見染めたという記憶もとくにないのに。
【解説】
この歌の舞台「みかの原」は、8世紀ごろ恭仁京がおかれた京都府と奈良県との県境に近い木津川の流域で、京都府相楽郡加茂町あたりだと考えられます。
第4句目の「いつみきとてか」の解釈が「まだあったことない」「ほんのつかの間であったことがある」という2つに分かれるため、2通りの解釈がされます。
中納言兼輔とは、どんな人物??
藤原兼輔。紫式部の曽祖父で三十六歌仙のひとり。
賀茂川堤に邸宅があったので、堤中納言とも呼ばれました。
平安時代後期に成立した「堤中納言物語」という短編物語に関係があるとも、ないとも言われています。
紀貫之などの多くの歌人たちと盛んに交流を行っていたようです。
まとめ!
上の句 | みかの原わきてながるるいづみ川 |
---|---|
下の句 | いつ見きとてか恋しかるらむ |
歌人 | 中納言兼輔 |
決まり字 | みかの |
決まり字数 | 3字 |
収載和歌集 | 新古今和歌集 |
この時代の恋は出会うより先に、気になる女性の評判を聞いてイメージをふくらませ、出会う前に、恋に発展してしまうケースも珍しくなかったみたいだよ。
会う前に自分のイメージで作り上げた女性に恋をするなんて、昔の人はとってもピュアだったんだね。
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