百人一首解説

【百人一首 2番】春過ぎて…歌の現代語訳と解説!持統天皇はどんな人物なのか

春過ぎて夏来にけらし白妙の

衣ほすてふ天の香具山

【読み】

はるすぎてなつきにけらししろたえの

ころもほすちょうあまのかぐやま

【2番】春過ぎて~ 現代語訳と解説!

【現代語訳】

もう春が過ぎて、夏が来たらしい。衣を干すという天の香具山に、美しく白い着物が干されているなぁ。

【解説】

天から降りてきたとされる伝説の山、天の香具山に、初夏になると衣替えのためか真っ白な着物が点々と干されている情景を詠んだとされています。

初夏の緑と衣の白が相まってさわやかさと美しさを感じられますね!

のちの女帝となる作者の持統天皇が季節の移り変わり(時の流れ)と風景のコントラスト、そして伝説の香具山に想いを馳せていたのが目に浮かびます。

持統天皇とは、どんな人物??

第41代天皇。

父親は天智天皇、夫は天武天皇。壬申の乱に勝利した天武天皇を支え、天武天皇崩御後は、政治の実権を握ります!

その後、女帝となり日本最古の都、藤原京を築いたのでした。

まとめ!

上の句 春過ぎて夏来にけらし白妙の
下の句 衣ほすてふ天の香具山
歌人 持統天皇(645~702年)
決まり字 はるす
決まり字数 3
収載和歌集 新古今和歌集

 

【文法解説】

来けらし 来てしまったらしい。推定の「らし」。
ほすてふ 干すという。「という」の短縮形「てふ」。読みは「ほすちょう」。
天の香具山 大和三山の1つで、現在の奈良県橿原市にある。天上から降りてきたという伝説を持つ。

 

さわやかな夏の情景と時の流れを感じますね。

詠ってみると響きも美しく、とっても気持ち良いです。

さあ、あなたも声に出して詠んでみましょう!