足曳きの山鳥の尾のしだり尾の
ながながし夜をひとりかも寝む
【読み】
あしひきのやまどりのをのしだりをの
ながながしよをひとりかもねむ
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【3番】足曳きの~ 現代語訳と解説!
【現代語訳】
山鳥の長く垂れ下がった尾のように、長い長いを私は独りで寝るのだろうか。
【解説】
山鳥はメスよりオスの方が尾が長く、また、雌雄が離れて眠る習性を持つことから、現在の自分の状況にそれを重ね、秋の長い夜を妻と離れ寂しくて眠れない感情を見事に表していますね。
(山鳥の尾の長さ=秋の夜長、雌雄が離れて眠る=孤独に眠る)
ちなみに、万葉集でこの歌は「或本の歌に曰く」と注釈が付いており、柿本人丸が作者ではないと言われています。
柿本人麻呂とは、どんな人物??
山辺赤人と共に歌聖と呼ばれた人物です。
一般には天武天皇に仕えていたとされていますが、経歴や出自を記した文献が少ないため、謎が多い人物です。
万葉集には彼の歌が多く掲載されており、複雑な対句表現を用いた長歌、それまでには使われなかった多くの枕詞を採用した短歌、神道をはじめとする信仰を盛り込んだ歌など、後世の文学に多大な影響を残しました。
まとめ!
上の句 | 足曳きの山鳥の尾のしだり尾の |
---|---|
下の句 | ながながし夜をひとりかも寝む |
歌人 | 柿本人麻呂(660~724年) |
決まり字 | あし |
決まり字数 | 2 |
収載和歌集 | 拾遺和歌集 |
誰もが一度は感じたことのある「秋の夜長の寂しさ」を語の調子が切れることなく、非常になめらかに表現していますね!
実際に声に出して詠ってみると、リズムがとても心地良い歌です。
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