天の原ふりさけ見れば春日なる
三笠の山に出でし月かも
【読み】
あまのはらふりさけみればかすがなる
みかさのやまにいでしつきかも
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【7番】天の原~ 現代語訳と解説!
【現代語訳】
大空を遥か遠く仰ぎ見ると月が見え、春日にある三笠山に出ていたものと同じ月かもしれないなぁ。
【解説】
作者の阿倍仲麿は、20歳で唐(中国)に留学し、そこで皇帝に仕えるなどして、そして30年後、やっと日本への帰国を許されます。
その出発前、空を見上げた仲麿の目に月が映り、日本にいた頃の三笠山(現在の奈良県にある)に出ていた月を思い出す。
日本への「帰国の喜び」や「郷愁」を詠った歌ですね。
しかし、帰国の船旅が難破により失敗し、二度と日本へ戻ることは叶いませんでした…。
阿倍仲磨とは、どんな人物??
奈良時代の遣唐留学生です。
遣唐使に同行するかたちで唐に留学し、そのまま国家試験である科挙に合格しました。
その後は唐で高官として仕え、生涯を唐で過ごしたそうです。
これらの経緯から、百人一首に収められた歌は唐へ向かう途中の船上で見た景色を描いているとも考えられています。
まとめ!
上の句 | 天の原ふりさけ見れば春日なる |
---|---|
下の句 | 三笠の山に出でし月かも |
歌人 | 阿倍仲磨(698~770年) |
決まり字 | あまの |
決まり字数 | 3 |
収載和歌集 | 古今和歌集 |
30年ぶりの帰国に対し、ノスタルジアをしみじみ感じさせる歌。
結果、帰国が叶わなかったエピソードを踏まえると「無念さ」もプラスされ、より一層深みを増しますね。
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