歌人に会える百人一首
源重之
意味
風が激しく吹くので、岩に打ち寄せる波がひとりでに砕け散るように、私だけ心を砕かれて、物思いをするこの頃ですよ。
解説
この歌は、好意を寄せる相手を決して動かない岩に、自分の恋心を何度も打ち寄せては砕ける波にたとえたものです。どれほど強く想い続けても相手には届かず、むなしく打ち砕かれてしまう切ない恋心が、荒々しい海の情景を通して印象的に描かれています。
作者の源重之は、地方官を務めながら各地を旅し、多くの歌を残した歌人です。また、現存する最古の百首歌とされる『重之百首』を献上するなど、和歌への情熱を生涯持ち続けました。この歌にも、諦めきれない恋心を波の動きに重ねて粘り強く表現する姿が見られ、物事に真摯に向き合い続ける重之らしい情感の深さがうかがえます。
詳しくはこちら