掛詞クルッと発見!
98番・従二位家隆
歌の中に隠れている掛詞を見つけてタップしてみよう。
タップした言葉がその場でくるりと入れ替わり、ふたつの意味が交互に現れるよ。
解説
「なら」は掛詞になっています。
掛詞とは、同じ音の言葉に二つの意味を重ねる表現です。
この歌の「なら」には、木の「楢」と、川の名である「ならの小川」という二つの意味が込められています。
風がそよそよと楢の葉を揺らす、ならの小川の夕暮れは、まるで秋が来たかのように感じられる。けれど、みそぎの行事こそが、まだ夏であることの証なのだなあ。「なら」に木の名と川の名を重ね、涼しげな川辺の情景に、実はまだ夏だという季節の意外性を詠んでいます。
短い三十一文字の中に、二つの意味が重なるところが、掛詞の魅力です。
単語など
そよぐ
風がそよそよと吹く。
みそぎ
川で身を清める神事。ここでは夏越の祓を指し、旧暦六月晦日に行われた。
証
証拠。
この歌では、夏であることの証拠という意味。
なりける
であったことよ。「ける」は詠嘆を表す。