掛詞クルッと発見!
14番・河原左大臣
歌の中に隠れている掛詞を見つけてタップしてみよう。
タップした言葉がその場でくるりと入れ替わり、ふたつの意味が交互に現れるよ。
解説
「しのぶ」は掛詞になっています。
掛詞とは、同じ音の言葉に二つの意味を重ねる表現です。
この歌の「しのぶ」には、地名の「信夫」と、「忍ぶ」という二つの意味が込められています。
信夫地方で染められた、乱れ模様の「しのぶもぢずり」の布のように、私の心もあなたのせいで乱れ始めてしまった。人知れず耐え忍んでいたのに、という切ない恋心が、地名を重ねて詠まれています。
短い三十一文字の中に、二つの意味が重なるところが、掛詞の魅力です。
単語など
陸奥
現在の東北地方の太平洋側を中心とした広い地域。福島県、宮城県、岩手県、青森県、および秋田県の一部(北東部)
信夫
陸奥の信夫地方(現在の福島県福島市周辺)の地名。「しのぶもぢずり」という染め物で知られていました。
忍ぶ
人に知られないように思いを隠す、耐える。
もぢずり
草木などを使って、乱れた模様を布に染め出す信夫地方の染め物。
誰ゆゑに
誰のせいで。
乱れそめにし
乱れ始めてしまった。
我ならなくに
私ではないのに。「なくに」は打消の詠嘆を表す。