掛詞クルッと発見!
51番・藤原実方朝臣
歌の中に隠れている掛詞を見つけてタップしてみよう。
タップした言葉がその場でくるりと入れ替わり、ふたつの意味が交互に現れるよ。
解説
この歌には掛詞が二つ隠れています。
掛詞とは、同じ音の言葉に二つの意味を重ねる表現です。
一つ目は「いぶき」。地名の「伊吹」と、「言ふ」という二つの意味が込められています。
二つ目は「ひ」。「思い」の語尾の「ひ」と、「火」という二つの意味が込められています。
あなたを想う気持ちがこんなにも燃えていると、とても言うことはできない。伊吹山のさしも草のように、心の中でこれほど激しく燃える火のような私の思いを、あなたはきっと知らないだろう。地名と火の縁を重ねて、燃え上がる恋心を巧みに詠んでいます。
短い三十一文字の中に、二つの意味が重なるところが、掛詞の魅力です。
単語など
かくとだに
このように(思っている)とさえ。
えやは
どうして〜できようか、いや、できない。反語を表す。
さしも草
伊吹山に生える薬草の名前。もぐさの材料になる。
さしも知らじな
それほどまでとは知らないだろうなあ。
もゆる
燃えるように激しい。
思い
心の中で感じている気持ち。
火
燃える火。「思ひ」の「ひ」と重なる。