掛詞クルッと発見!
95番・前大僧正慈円
歌の中に隠れている掛詞を見つけてタップしてみよう。
タップした言葉がその場でくるりと入れ替わり、ふたつの意味が交互に現れるよ。
解説
「すみぞめ」は掛詞になっています。
掛詞とは、同じ音の言葉に二つの意味を重ねる表現です。
この歌の「すみぞめ」には、「墨染」と、「住み初め」という二つの意味が込められています。
身の程知らずながらも、このつらい世を生きる人々の上に、覆いかけようとしているのだなあ。比叡山に住み始めたばかりの私が身にまとう、この墨染めの衣の袖を。「すみぞめ」に、墨で染めた衣の色と、山に住み始めたばかりであることを重ね、世の人々を救おうとする僧としての決意を詠んでいます。
短い三十一文字の中に、二つの意味が重なるところが、掛詞の魅力です。
単語など
おほけなく
身の程知らずにも。分不相応にも。
うき世
つらいこの世。
おほふかな
覆うことだなあ。
人々を守り包み込もうとする気持ちを表す。
わがたつ杣
私が住む山。比叡山を指す。最澄の歌に由来する言い方。
墨染
墨色に染めた衣。
この歌では僧の衣を指す。
袖
衣の袖。